「パリ協定」のルール作りとは何か?
2015年に、フランスのパリで国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催され、すべての国を対象とした地球温暖化対策の国際協定である「パリ協定」が成立しました。
パリ協定は、産業革命前から比べて気温上昇を2度未満に抑える(可能な限り1.5度未満に抑える努力をする)ことを目的として、21世紀後半に、世界全体で温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、という目標を世界全体で共有する、画期的な協定です。そのパリ協定をどのように実施していくかの詳細なルール(実施指針)は、2018年12月2日~14日にポーランドのカトヴィツエで開催されるCOP24において決められることになっていました。
パリ協定(2020年から実施される温暖化対策の新たな国際ルール)は、温室効果ガス排出量の「削減」から、温暖化の悪影響に抵抗力をつける「適応」、世界すべての国が取り組むために必要となる途上国への「資金と技術支援」、「森林伐採によって発生するCO₂排出の防止」まで、あらゆる温暖化対策を含んだ総合的な国際協定です。
そのため、その実施のためのルールも多岐にわたります。2015年から3年間にわたって、国連では、これらのルール作りのための交渉が急ピッチで続けられてきました。
京都議定書のルール作りに7年もかかったことを鑑みると、京都議定書よりもはるかに複雑なパリ協定のルールを3年弱で作ることは、国際社会にとって、非常に大きな挑戦でした。しかしパリ協定にかける世界各国の意気込みを反映してか、COP24では、140ページ以上にもわたるルール集に合意することができたのです。
今回のCOP24の論点は、二つでした。
ルールブックを先進国用と途上国用の二つに分けるか否か。そして、途上国の温暖化対策資金をどうするかです。
排出削減目標や進捗状況の検証には、共通の厳しい基準を適用することになりました。これは、発展途上国の経済発展が進み、今や先進国との差異がなくなっていることを意味していると私は感じました。
また、途上国への支援については、2020年から2年ごとに将来の拠出額を示すということなどで折り合いました。
今回のCOP24において、途上国と先進国がルールを共有したことで、2020年からのパリ協定のスタートに向けて準備が整ったと言えるのです。
さて、最後になりましたが、私共WILL NEXTの地球温暖化対策へのアプローチについてお話しします。
私たちは、1996年から地球温暖化対策を視野に入れて、研究を開始しています。(since1996)
これは、1997年に京都で開催された気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)と同時期(というか、一年早い)です。
早いもので、研究を開始して、もう22年目に突入しました。
皆さんも「蛍」はよくご存じかと思いますが、最近では、「海蛍」(ウミホタル:青色発光する甲殻類)や「光苔」(ヒカリゴケ:レンズ状細胞が反射することによりエメラルド色に発光するコケ植物)などの生物にも注目が集まっています。なぜなら、これらの発光は熱を伴わず、CO2も排出しないため、地球の温暖化には影響しないからです。(そして悪臭も放ちません)
我々の研究所も、地球温暖化防止策の研究成果として、今年(2018)は、発光する水の開発に成功しました!この水も、自然界の生物と同様、当然CO2も熱も悪臭も発しません。この技術が、これからの地球温暖化対策に役立つことができればと願っています。
私たちは、今後も世界の地球温暖化対策への取り組みの動きや気候変動に注目し、少しでも役立つ研究ができるよう日々努力、情報発信をしていきたいと思っています!
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