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種子法廃止で日本のコメが消える!

 敗戦後の食糧不足が続く1952年、「国民を飢えさせないために」と制定された種子法(正式名称:主要農作物種子法)は、2016年秋、内閣府の規制改革推進会議の農業ワーキング・グループにおいて、「民間企業の農業への参入を阻む」と指摘された。

 2017年2月には、異例の速さで種子法廃止法案の閣議決定があり、同年4月、参院本会議で可決、成立。

 こうして、日本各地の気候風土に合ったコメ、麦、大豆の優良品種の育成と安定供給を半世紀以上にわたって支えてきた種子法は、2018年4月1日に廃止された。

 

 TPP(6月30日の記事参照)や日欧EPA(7月19日の記事参照)によって、国の食糧主権が失われる可能性がある。今後、国は補助金をチラつかせながら飼料米の収量アップを農家に迫り、遺伝子組み換えの趣旨へと誘導する構図が予測できる。各地の農家が遺伝子組み換えの飼料米を作り始めたら、稲の花粉は1.5キロ四方に飛んで交雑するので、日本で有機栽培のコメを作れる土地がなくなってしまう。結果的に、私たちは遺伝子組み換えのものを食べることになるのだ。

 

 私と同じように日本のコメが大好きな日本人は多い。私は特別のこだわりはないが、お金持ちの中には高いブランド米をわざわざ取り寄せて食べている人もいると聞く。けれども一方でこんな恐ろしい法案が国会でポンポンと決まっている現実を、どれだけの日本人が認識しているのだろう。私たちは自分の半径1メートル以内で起きていること意外にも目を向けていく必要がある。

 

 そうそう!今日はもうひとつ「日本古来の種を守る」つながりで、研究所の取り組み「二ホンメダカ(クロメダカ)の養殖」をご紹介しよう。現在、二ホンメダカは外来品種の乱入・宅地造成や農業改革などの人間の生活影響を強く受けて生息数が激減し、1999年には環境庁(現環境省)によって絶滅危惧種2種に指定された。また最近になって、その遺伝子とヒトの遺伝子構造が非常によく似ていることから、マウスのかわりに二ホンメダカで検証・研究しようという動きが出てきた。要するに、必要とされているのに絶滅危惧種になっているという事態に陥っているのだ。

 

 当研究所では1992年より二ホンメダカの養殖に成功している。今年も研究所の水槽で元気に泳いでいる姿を目にすることができる。通常メダカ(魚類全般にあてはまる)は人間を見ると逃げていくのだが、うちのメダカはまるで池にいる鯉のように「エサをくれ」と言って手に寄ってくる。長年飼いならされている成果である(^-^)

 かたやインドネシアまで新種のメダカを探しに行っている人(琉球大学の教授)もいる。本日(7月24日)から名古屋の東山動植物園「世界のメダカ館」で、新種に認定された「ドピンドピンメダカ」が公開になるそうだ。新種も結構だが、今後は日本古来の種の保存にも注目が集まることを期待する!

 

 「コメもメダカも、Made in Japan が最高だ!」これが私の持論です(^-^)

 

 写真は、うちの母の手作り味噌と当研究所のメダカちゃんです。今年はなぜか白いメダカが産まれました!経過観察中!(^O^)/