最近は皆さんの生活にもすっかりなじんでいるエコバッグだが、その歴史は1990年代初め、ドイツで普及していた布製エコバッグが日本に紹介されたことに始まる。続いて大手スーパーなど量販店がエコバッグの販売を開始。マイバッグ運動=レジ袋削減運動のイメージが定着した。これに並行して、オシャレなデザインや色・サイズのエコバッグ製品を数多く見かけることが、日常の風景となっている。それでは、レジ袋を使わないというのは、本当にエコなのだろうか?
実は、現在レジ袋の原料は、焼却しても塩化水素等の有毒ガスが発生しないポリエチレン製が主流となっている。ポリエチレン製は理論上、完全燃焼させたときには水と二酸化炭素しか発生しない。だから、レジ袋そのものは再利用すれば決して環境に悪くはない。
では、なぜ有料化したのか?私の意見はこうだ。
まず、エコ意識の向上により、海に漂うプラスチック問題に大きく貢献している。なぜなら、ふわふわと軽いレジ袋は、風に舞って飛びやすく、海のプラスチック汚染を引き起こす主役だから。また、アスファルトとの摩擦により、細かく砕け、マイクロプラスチックになる。私自身もそうしているが、わざわざお金を出して買ったレジ袋は、安易に丸めて捨てるようなことはしない。
次に、無料のものに比べて素材も厚めでしっかりしているため、ゴミ箱にセットするにはもってこいだ。ゴミを出す時に再利用できる、リユースできるという点で、有料レジ袋は非常に優等生なのだ。だから、私は、買い物するときには有料のレジ袋を積極的に購入している。皆さんも、レジ袋を購入するときは、ポイ捨てさえしなければ、特に罪悪感を感じる必要はない(^-^)
さて、同じゴミに関連して、2つのゴミの山を紹介しよう。
一つ目は、東京都の「夢の島」。都内23区のゴミはかつて「夢の島」に投棄されていた。夢の島では1957年(昭和32年)から、ごみの埋め立てが開始されたが、当時は清掃工場の建設が追い付かず、ごみを焼却せずにそのまま埋め立てていた。そのため埋め立てられた大量のゴミにより、悪臭や害虫が発生し、埋め立て処分場の周辺住民の生活環境は劣悪なものだった。現在では生ごみは清掃工場で焼却処分されているため、害虫や腐敗によるガス発生などは最小限に抑えられている。今はスポーツ施設や植物園が経ち、緑の島として親しまれている夢の島も、かつては「ハエの天国」と呼ばれていたのだ(;゚Д゚)
そしてニつ目は、フィリピン・マニラのスラム街にある「スモーキーマウンテン」。このゴミ山の中で、ビニール(プラスチック)をはじめとして金属、紙類、衣類、木製品などは再利用ができるため、昔はゴミを拾って生活している人がいた。今ではゴミ山はなく、全て埋め立てられている。埋め立て地でバナナが栽培されていたりもする。東南アジアも裕福になってきたので、もはやゴミを拾っている人はいない。かつてのイメージとは様変わりしているのだ。今ではプラスチック問題は、どちらかというとインドネシア(廃プラ量は、中国に次ぐ世界第2位)のバリ島の海の汚染の方が深刻だ。
また、これらのプラスチック問題により、今後価格の値上がりの長期化が予想されるのが原油だ。6月末のOPEC総会後、原油先物価格は1バレル=70ドル半ばまで上昇している。難しい話は割愛するが、要するに、プラスチックの使用を控えていこうという世界の動き(需要の減少)は、その原料である原油価格(原油がもとになる製品は、ガソリンよりもプラスチックの方が多い)に当然影響するのだ。また、燃費の良い車の普及も、当然ながら原油価格の高騰を促す。
最後に、もっと身近な例として、「スーパーでのビニール袋同様、カフェでのプラスチックストロー・スプーン・フォークの購入にも、お金がかかるようになる!」というのが私の近未来予測だ。
写真は、私がかれこれ8年ほど前から使っている、エルメスのバーキンが印刷されたエコバッグです。中にはビニール袋もちゃんと入っています!エコにもオシャレ心を(^^♪
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