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多死社会に備えて

 「多死社会」……高齢者の増加により国内の死亡率が増え続け、人口が減っていく社会形態をいい、高齢化率、つまり65歳以上の人口の割合が総人口の21%を上回る超高齢社会の次に訪れる段階と位置付けられている。厚生労働省が今月一日、昨年の人口動態統計(概数)を公表した。今、生まれてくる赤ちゃんの数は減り続けている。2017年の出生数は、前年よりさらに3万人も減って94万6000人余。二年連続で100万人を割り込んだ。女性一人が生涯に産む子供の推定人数(合計特殊出生率)は、前年比0.01ポイント減の1.43となった。

 どんなことでも原因を探ることは大切だ。それでは、ここまでに至る経緯を振り返ってみよう。

 日本の出生数は、際立って多かった第一次ベビーブーム、つまり「団塊の世代」が生まれた1947年~49年には年に260万人台だった(ほぼうちの両親の世代である)。

 その団塊の世代が出産適齢期を迎えた1971年~74年も第二次ベビーブームとなり(私は77年生まれなので、ほぼこの世代)、年間出生数は再び200万人を超えた。以後、出生率は右肩下がりで減り始めるのだが、「団塊ジュニア」と呼ばれる第二次ベビーブーム世代が出産適齢期を迎えれば、第三次ブームが来るはずだった。

 ところが、その時期が長期不況の就職氷河期と重なり(今の大学生からは信じられないかもしれないが、一人の採用枠に数百人の学生が応募した時代。就職できず、非正規社員となる人があふれ返った。私も数十社受けて、何とか内定を一社からもらい、就職したことを思い出す)、先の見通せない雇用状況の中で、家庭を持てない若者(彼らが現代ではミッシングワーカー予備軍となっている)が増えた。

 結局、日本の人口ピラミッドに来るはずだった第三の波が現れることはなく、少子化が加速してしまったのだ。

 逆に、死亡数は近年、急速に増えており、昨年は130万人余で戦後最多を更新している。当面、死亡数の増加が続くことは間違いなく、そのピークは団塊の世代が90歳となる2039年ごろ、167万人前後となる見通しだ。

 これは、日本だけの問題ではなくなってきている。今、多くの国で人口減が進んでいる。合計特殊出生率は、例えば韓国が1.17、シンガポールが1.20(ともに2016年)、つまり日本よりも低いのだ。これは、労働力の奪い合いとなる可能性を示唆している。

 多死社会の到来で今後、人口減が急速に進む。これまでのような経済規模を維持するなら、労働力は足りなくなる。政府は「骨太の方針」に、外国人の長期就労に門戸を開く新たな在留資格創設を盛り込んだ。しかし、本格的に外国人を受け入れるなら、日本社会に溶け込んでもらうため、受け入れる側の発想の転換や努力が求められる。

 それより、身の丈に合わせて戦略的な縮小を考えた方が、豊かな社会になるかもしれない。何を目指すのか、現実を直視して、議論すべき時が来ている。

 

 因みに私が個人的に「多死社会」に備えてしている対策。それは、仮に私が今日死んでも娘が無事生きていけるようにと行った、公正証書遺言の作成だ。「早すぎるのでは?」という声が聞こえてきそうだが、いやいや、そんなことはない。「備えあれば患いなし」とはよく言ったもので、面倒でも(←本当、ぶっちゃけかなり面倒。でも後々家族にその面倒をかけたくないと思って作りました)、すべきことをきちんとしてきたからこそ、今私は好きなことに思う存分打ち込めるという、ハッピーライフを送れているのだ!(^-^)

 全国的にも「終活」への関心は高くなってきており、自分の死後のトラブルを避けるため、遺産の相続先などを書き残す人が増えている。日本公証人連合会によると、2017年に全国の公証人が作成した「公正証書遺言」の件数は、10年前の1.5倍に増えたことが分かった。

 皆さんも、大切な家族の為に、今から自分ができることをやってみてほしい。若い方は家族でお金の話をするだけでも良いと思う。今やるか、後でもっと苦労してやるかのどちらかなのだから。公正証書遺言の作成、本当おすすめですよ~(^^♪

 因みに私は一般社団法人の定款の作成も、むろん登記も、法務局や公証役場に何度も電話で問い合わせて(←ここでも電話野郎ぶりを発揮!)、足を運んで(電話で分からないときは直接聞きに行くのが一番早い)、自分で作成しました!経費節減かつ、勉強にもなり、一石二鳥でした!笑!