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「世界海洋デー記念シンポジウム」に参加してきました!

 地球上の7割の面積を覆う海。その環境や、そこに暮らす生物を守ろうと国連が定めたのが世界海洋デー(6月8日)です。2015年には、持続可能な開発目標(SDGs)に目標14「海の豊かさを守ろう」が盛り込まれ、海の環境と海洋資源の確保は、世界が取り組む共通の課題となりました。海と人間との繊細なバランスは今、気候変動や汚染、乱獲、魚の生息環境の悪化など、様々な脅威によって大きく揺らいでいます。

 今回のシンポジウムで一番の課題とされたのがプラスチック汚染です。

 七つの海をプラスチックがわが物顔に泳ぎ回り、生き物が悲鳴を上げる……そんな世界が現実になりつつあります。先月末、タイ南部の海岸にコビレゴンドウというクジラの仲間が打ち上げられ、五日後に衰弱死しました。おなかの中から、袋など約8キロのプラスチックごみが見つかりましたが、それが衰弱の原因でした。また、二月末、スペイン南部に流れ着いたマッコウクジラの体内からは、約30キロが検出されました。さかなクンが説明しているスクリーンに映っているのは、結束バンドが頭に巻き付いて取れなくなった痛々しいサメの写真です。世界の海はプラスチックのゴミに満ち、生態系の乱れを加速させています。事態は深刻です。

 国連環境計画(UNEP)が5日公表した報告書によると、世界のプラスチックの廃棄量は年々増え続け、2015年には三億トンに達しています。このうち約半分をレジ袋やペットボトルといった使い捨て製品が占めています。使い捨てプラ製品の廃棄量は中国が最も多いのですが、一人当たりでは米国が世界一、次いで日本、欧州連合(EU)の順です。海を漂うプラごみは、紫外線や波の力で分解されて微小な粒子に変わります。直径5ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼びます。私たちが保冷用の容器などによく使用する発泡スチロールがアスファルトに削られてマイクロプラスチックとなり、風で海に運ばれていく場合もあります。

 これらはポリ塩化ビフェニール(PCB)のような有害物質を吸着する性質があり、のみ込んだ魚を食べた人間への影響も懸念されます。実際に、魚や貝、水鳥などの体内から、プラスチックや、そこから溶け出したとみられる有害物質がみつかっています。今回のシンポジウムの話の中で特に驚いたのは、私たちが毎日のように飲んでいるミネラルウォーターの9割、そして水道水の8割に、実はマイクロプラスティックが入ってしまっているというものでした。

 今や廃プラ問題は、温暖化に次ぐ国際環境問題になったと言われており、危機感を抱いた欧米やアフリカなどは、使い捨てプラの規制強化を進めています。

 EUは先月末、ファストフード店で使われるスプーンや皿、ストローなど、使い捨てプラ食器を禁止するよう、加盟国に提案しました。米国は2015年、マイクロビーズの配合の禁止を決めました。フランスは2020年から、使い捨てプラ容器を禁止します。

 それらの国々に比べて日本での対応は遅れていると言わざるを得ません。ようやく今国会中に、事業者にプラスチックごみの排出抑制の努力義務を課す「海岸漂着物処理推進法」改正案を与野党の国会議員が共同提出し、早ければ来週にも可決、成立します。マイクロプラスチックには、洗顔料や化粧品、歯磨き粉などに含まれる「マイクロビーズ」も含まれ、それらを製造する事業者に使用の自粛を求めました。ただ、罰則は設けられておらず、実効性は不透明で、企業や自治体への取り組み任せという現状です。

 

 話は変わりますが、台風第5号が近づき、いま東京では雨が降っています。私は楽しみにしていたテニスの予定がボツになってしまい、ちょっぴりショボンな気分なのですが、実は、台風というのは地球温暖化にとっては悪いことばかりではなさそうです。水温の上昇により、サンゴの白化が起きているというのは周知の事実ですが、台風が、海の水をかき回して水温を下げてくれるという、海にとってはありがたい役割も果たしてくれています。そう思うと、今日の雨にも優しい気持ちを向けることができるというものですね(^^)

 ブログを書き終えたら、雨の日の鉄板の過ごし方である、映画を見に行こうと思います。「50回目のファーストキス」を見て、かなり長いこと忘れている(笑)切ない気分にでも浸りながら、ハワイの青い海を眺めてきまーす(^O^)/